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TOP Journal Vol. 126

2015/01/30

直撃!米大手・現役人事ディレクターへ聞く~今、グローバル人事に必要なこと~

 Online TOP Journal
Newsletter Vol. 126 January 26th, 2015

あけましておめでとうございます。本年度も、トップジャーナルを変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。2015年のトップジャーナルは更なる飛躍をめざし、新聞やネットなど、他では中々手に入らない「生」の情報提供にフォーカスして参ります。皆様のビジネス現場で役立つ、リアルでタイムリーな内容をお届けして参りますのでご期待ください。
本号トピック
今月号は、トップジャーナルと共同で情報提供を行っている、Resource International社より、「グローバル化と人事」についてお話します。企業のグローバル化に伴い、ピープル、プロセス、テクノロジー、組織の面での整備が必要となる。中でも‘ピープル’の重要性を全てのトップマネジメントが協調している今。本レポートは、米系大手グローバルCPG(消費者パッケージプロダクト)企業(以下‘カンパニーA’)人事ディレクターへのインタビューをもとに、グローバル企業の人事施策について一例を紹介します。1. 人事ポリシーとコミュニケーション2. グローバル経験の重要性3. 多国籍企業の人事リーダーたちに求められるスキル
1. 人事ポリシーとコミュニケーション他の大手グローバル企業と同様に、カンパニーAも長年にわたる度重なる買収を通して成長を遂げてきた。これまでカンパニーAは分散構造を維持してきたが、現在ではより標準化に向けて取り組んでおり、人事ポリシーにもグローバルレベルでの標準化を推進している。同社はオペレーションを行う全ての国々で、可能な限り標準化を目指している。同氏に、様々なグループ会社の人事ポリシーを国レベルでも標準化している。これまでビジネス部門がそれぞれに独立して稼働してきたカンパニーAにとって、標準人事ポリシーをグローバルに持つ努力は長期にわたるプロセスである。標準化の大きなドライバーは、人材をグローバルに異動させる能力を獲得することである。標準化が進むと、社員はグループ内のどの企業で働いても同じベネフィットを獲得できるという安心感を持てる。標準化はまた、サポート機能やリソースをシェアードサービスに移行することを容易にするので効率化につながる。また、組織内にある重複リソースを革新の創造など他の分野に回すことができる。一方、人事関連のポリシーを組織内にコミュニケートし、徹底していくことは難しい。そのため人事部は情報を統合し、グローバルにパワフルなアプローチを取る努力が必要である。具体的には様々なチャネルを通して、同社の人事コミュニティ全体に情報を浸透させようとしている。ビジネスラインに情報を伝達するためには、ローカルの人事部門を活用し、特に全社社員に影響を及ぼすような人事ポリシーの変更は本社から地域にローカル人事部を通してコミュニケートされる。

カンパニーAにはコミュニケーション委員会を中心に社員に伝達される全ての情報を統合している。実際の情報伝達にあたっては、コミュニティコール、オンラインポータル、Eニュースレターなど、人事部が効果的にグローバル社員にリーチすることを可能にする様々な方法がとられている。

カンパニーAには、人事部リーダーたちが戦略や課題を議論する正式のメカニズムがある。リーダーシップ•チームとコミュニティ人事組織のスタッフは定期的に集まり議論を行う。グローバル、地域、国レベルの人事部門はそれぞれにリーダーシップ•チームとガバナンス組織があるが、これら3レベルの組織は常に協力し合い行動している。

人事プロセスには定期的なタスク、例えばパフォーマンス管理、後継者育成計画などに関連したスケジュールが織り込まれているが、これらの多くは企業内の年間行事とも関連付けされている。

2. グローバル経験の重要性カンパニーAではマネジメントランクに昇格する候補者のプロファイルに変化が見られるようになった。過去において、上級管理職の人々はグローバル経験なくしてキャリアを伸ばすことが可能であった。しかし、最近では、次世代のリーダーとして期待される社員は、幅広いグローバル経験を求められるようになった。そのため、人事のリーダーシップを取る人材は世界のさまざまな地域で暮らした、あるいは働いていた経験とともに、社内でも複数のセクションを経験するなど、多様なバックグラウンドを持つようになった。また、社員も特にキャリアの前半で海外勤務を行っている。最近では、MBAを持つ採用者の多くがグローバル勤務や留学を経験しており、3~5年他社で勤務した後にMBAプログラムを卒業した学生たちである。こうしたグローバル経験の重要性はトップマネジメントにとっても優先事項になっており、人材(タレント)管理の面でもグローバル経験が重要性を増している。

カンパニーAは、全社レベルの仕事ができるリーダーの育成を試みているが、上級管理職レベルの人材は、社内環境だけでなく外部環境についても幅広い統合された見識が求められる。高度複雑な事象を扱うためにはローカル環境の要件を理解しつつ、かつ全体像を認識する能力を身につけている。サイロの考え方で行動していては、グローバル企業が面するダイナミックな環境には対応できない。

国際経験に高い価値を置くカンパニーAは、社員がグローバルアサイメントで成功するための準備を行うプログラムが設定しているが、それにはクロスカルチャー訓練やグローバルビジネス経験あるいはエクゼクティブコーチングの専門家によるコーチングなどが含まれる。クロスカルチャーの環境、あるいは特定の国で働く人々にはサードパーティ・コンサルティング企業がコーチングと訓練を行う。またグローバルアサイメントを希望する社員がその準備度をチェックできる社内ポータルも設定されており、ポータルを通して社員はクロスカルチャーに関する学習も行える。

3. 多国籍企業の人事リーダーたちに求められるスキル人事部門のリーダーたちは、ビジネスに関する洞察力や優れた人材管理の能力を持つ、全社レベルの視野で活動できるグローバルリーダーである必要がある。人材管理では才能のある候補者を判別、採用、既存社員を評価、能力開発を行い、異動に関する適切なプログラムとプロセスを設け、人材パイプラインを構築する。また、グローバル人事のリーダーは、戦略策定とそれを実行する能力を備えていなければならない。特に人事部の多くの役割は企業内の様々な分野に幅広くリーチすることであるため、コンサルティングとパートナリングのスキルの重要性が増す。人事部リーダーは進歩するHRテクノロジーと人事環境を理解しなければらなない。ほとんどの企業の人事オペレーティング•モデルは、戦略的な役割と運用の役割を分けられるが、特に運用はシェアードサービス環境に移行している。 人事部リーダーたちは、こうした多様なモデルの利点・欠点を理解し、いかなる環境でも企業を成功裏に導くような柔軟な行動を期待されている。

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