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H-1B修正申請の必要性に関するアメリカ移民局の新たな方針

2015/12/17

H-1Bビザ保持者及びH-1B保持者を抱える会社にとって、とても重要なアメリカ移民法方針が発表されました。当発表はH-1B修正申請の必要性についてで、今回、移民局メモの抜粋にコメントを加える形で、今回の発表内容を紹介したいと思います。(※2015年5月掲載)
 

概要

概要ですが、例えばH-1B保持者の勤務地またそのスポンサーとなっている会社の所在地そのものが変わる場合、それが元々申請した際の住所に基づいて算出された平均賃金額と異なるエリアへの移動となった場合、その移動前に必ず移民局へ修正申請を行わなければならないというものです。

 

修正申請について

2015年4月9日、アメリカ移民局のAdministrative Appeal Office (AAO) は今後の先例となるべく重要な判定を下したのですが、そのケースはMatter of Simeio Solutions, LLCと呼ばれ、先述の通り、H-1B保持者の勤務地が新たに労働認定書(LCA)を必要とするような場所への移動となった場合、会社はそのH-1B保持者に対する修正申請を行わなければならないというものです。

今回の判定を受け、今後、この該当する勤務地変更は修正申請を必要とすべき重大な変更事項(Material Change)として位置づけられることとなり、その修正申請には移動後の住所に基づいて新たに認証されたLCAの提出も必要となります。

以前は、勤務地以外の重大な変更事項がないことを前提に、仮に平均賃金が変わるエリアへ移動しても労働局を通してLCAのみ認証を得れば良いという解釈もできたでしょうが、今回の移民局方針ではそれだけでは不十分であることを意味します。

なお、一旦この修正申請を移民局へ行えば、その移民局からの認可を得る前でも新しい勤務地での就労が可能となります。最終結果が出るまで、勤務地の移動を待つ必要はありません。

 

修正申請が必要ない場合の例

一方、修正申請が必要ない場合の例は次の通りです。
 

● H-1B保持者へ支払われるべき平均賃金の変わらないエリア(MSA: metropolitan Statistical Area)内での勤務地移動:
この場合、修正申請をアメリカ移民局に行う必要はありませんが、 新たな勤務地にて、元々の申請で認証を受けたLCAを法律に則って掲示する義務はあります。これは、会社そのものが転居する、または一人のH-1B従業員が他支店へ移動する等に関わらず行う義務があります。自分のケースがMSAエリア内の移動なのか否かの判断も含め、詳しくは移民法の専門家にその対応について相談されると良いでしょう。

● 短期間の移動:
この場合、状況次第ですが、最大30日間(場合によっては60日間)であれば、移民局への修正申請は必要ありません。ただし、あくまでも拠点は元々の申請にある住所であることが前提で、この場合も新たにLCAを入手する必要もありません。

● “non-worksite”での勤務:
H-1B保持者が“non-worksite”へ移動となる場合、アメリカ移民局への修正申請は必要ありません。ここで言う”non-worksite” とは次のような場合を指します。

– H-1B保持者が自己啓発の一環として経営会議やセミナーに参加する場合

– ある特定(一箇所)の勤務地にわずかな時間勤務する場合

– 拠点はあくまでも申請上の住所であることを前提に、職務上、別の勤務地への出張頻度が多いperipatetic(巡回)従業員については出張毎に連続して5営業日、又は業務の殆どが申請上の住所で行われる一方で時折、他勤務地への出張が発生する従業員については出張毎に連続して10営業日を越えない短期出張である場合

 

H-1B修正申請に関わる注意点

– Simeio Solutions, LLC 判定時点に、対象となる住所(勤務地)変更が行われていた場合、ウェブアラート(2015年5月21日)が出されてから90日間内に修正申請を行わなければなりません。つまり、5月21日よりも前に勤務地が変わったにもかかわらず修正申請を行っていない場合は、2015年8月19日までに修正申請の必要があります。

– Simeio Solutions, LLC判定が下される前に対象となる住所(勤務地)が変更となっていた場合、移民局の前方針に従った上での非対応だという誠実性があれば、修正申請を行っていなかった事実について移民局は問題視することはないでしょう。ただし、この場合でも2015年8月19日までに修正申請の必要があります。

– もし上記対象のケースで2015年8月19日までに修正申請されなかった場合、アメリカ移民局はその対象のスポンサー会社を移民局規定違反と見なし、更に、対象のH-1B従業員についても合法的なH-1Bの維持とは見なしません。

– 修正申請が却下となった場合、仮に元々の申請自体がまだ有効で、その申請条件に伴う雇用となる場合は、元の勤務地での再雇用も可能でしょう。

– 修正申請が移民局による審査中の状況でも更なる修正申請は可能で、その場合、その更なる申請後、移民局が正式に申請書を受領すればその更なる変更勤務地での雇用は可能となるでしょう。この場合、それぞれの申請において、それぞれの申請状況が判断されますが、仮に後から提出した修正申請の審査中にH-1B保持者のステータスが有効期限を迎えてしまった上で修正申請が却下となった場合、その後の申請においてリクエストされていた修正内容や滞在延長も認められないこととなります。

 

以上、移民局の方針に従い、適切な対応が必要で、上記該当ケースについては2015年8月19日までに対応がなければH-1B自体が無効になる、また会社は罰則の対象となります。更に、今後対象となる勤務地の変更がある場合についても必ず修正申請を行うよう、移民局方針に従うことはとても重要です。

提供元

SW Law Group, P.C.
 
1994年にデビッド・シンデル弁護士が設立。経験豊富でプロフェッショナルとしての信念をもつスタッフこそクライアントそれぞれのニーズに応じ、一貫性のある質の高い法律サービスを提供できると考え、米国移民法に関する様々なニーズに対応し、業界を問わず数多くの企業をサポートしています。